CE-LI-NE

「ふ。私をあまり侮るなよ?」

ぽん、と背中を叩いてやって、三つ編みが終わったことを教える。

ぴょんと立ち上がった青年は、口をとんがらせた。

「別にべーつに侮ってなんかなーいよぅ? セリィのことはぁ、よぅっっく評価してるっ! だーから僕の『ガぁぁぁーディアンっ』だろーにぃ」

「まあ、な」

『ガーディアン』――それはライスト国軍のエリートを差す。

主には武芸に優れた兵士が入団を許可される、降魔師護衛団。

降魔師の安全を保証するため、常に傍らに置かれる尖兵。

階級に関係なく、実力試験に合格した者がこれに値する。

セリーヌは、この『ガーディアン』の団長、また試験官の役も担っていた。まさしく仕事人間である。

ルイスと入れ代わりに着席し、セリーヌは書類に目を通し直す。

書類はライスト国内、軍に関係のあるものないもの、そして国外の情報も知らせている。

ドーラ地域では、突然変異竜が暴れて難儀しているらしい。

その陰に隠れてしまっているが、男性の毒殺体も発見されたらしい。

もっとも――どちらもドーラの自治体や政府が対処するだろう。セリーヌはそれらを、ニュース程度として頭に保管する。