CE-LI-NE

相変わらず、人が恥ずかしくなるようなことばかり言う男である。

下着の件しかり、気持ちの件しかり、ルイス人の感情を掻き乱すのだ。

にあ、にああん。

「ジョセフィーヌ、足元にまとわりつくな」

このように、その飼い猫と一緒になって。

まったく、とぼやいているうちに、ルイスの右手が動く。

机の上にまとめられた書類を取り、「ふむふむ」と小さくうなずいた。

編みにくいから動くな、と言うより早く、彼が呟く。

「こっれさぁセリィ、このファイアル少年貴族の放火事件さーぁ~、な~にか裏がある気がしなーいかぁい?」

「ン? 裏だと?」

中腹まで編み終わる。

ルイスの髪はウェーブを描いているので下手をすると指からするりと抜けていく。

セリーヌの受け答えは自然と生返事になっていた。

ルイスは手にした書類をぺしぺし叩く。

「いぃぃぃぃっけん目は劇じょ~う、にぃぃぃっけん目は孤ー児ぃぃぃん。まぁるでたーいりょーうギャクサ~ツが目的のよぉうに思えるねぃ? まっさにテロ。だ・け・ど~ぅ?」