CE-LI-NE

「まったく」

と、浮かしていた腰をおとしたセリーヌは、ちょいちょいと手招き。

「編んでやる。来い」

その表情は、「まったく」とぼやいた時のまま少し剣呑としていたが、まんざらでもなさそうだった。

本当は、この手間がかかる大きすぎる弟のようなルイスを、好いている自分がいるのだ。

それは、友情や仲間意識を踏み越えた領域まで。

椅子に座らせたルイスの金髪を、セリーヌは三つの束に分ける。

「まったくだな、お前は自分で編もうとはしないのか? 私とて暇ではないんだぞ」

事実、彼とふざけている時間にも、片付けねばならない書類がある。

部所の異動申請書類に、新規入隊者の経歴確認、各部隊の装備品の在庫リストチェックに、除隊者、辞退者の書類処理、目を通さなければならない軍部情報、片付けることが山とあるのである。

「うーんんん、ぼっくもそれは考えるんだぁーけどねぃ?」

と、ルイスはひよこのように両腕をぱたぱた。長い袖がばさばさ。

「自分でやるより、人にやってもらったほうがキーレイにできるだろぉう? そーれにっ、セリィにやってもらうのが好きなんだぁ、僕ぁ」