CE-LI-NE

ジンは口角だけを吊り上げて笑う。

「で、だ。俺がセリーヌに頼みたいのは二つ」

「聞こう」

「ふむ。とりあえず、俺の捜索はやめてくれ。邪魔くさい。それと、この二つ目がこれが大事なんだが、俺の探してる男が現れたら伝言を頼む」

「なんとだ?」

「『千の公式を見せてやるから戻ってこい、このバカ師匠』だ」

最後の一言で、セリーヌはジンのさが死人が何者か少し推測できた。

そしてその関係性も。

少し笑う。

「では、その男の名は?」

「魔導師でな。草薙仁だ」

「……承知した」

そしてジンはドアの向こうへ姿を消した。

セリーヌがあとから開けてみたそこは、もはや、ただの廊下である。

向こうの角で、看護婦が患者と立ち話をしているのが見えた。