CE-LI-NE





話は、明かされてみれば簡単だった。

ジョセフィーヌはジョセフィーヌのゴーレムペットであり、『あのルイス』もジョセフィーヌのゴーレムだった。

そして『本物のルイス』は今、自分やジョセフィーヌがいた病院の、とある一室に横たわっていた。

軍服に身を包んだセリーヌは、彼の寝顔を見下ろす。

「すまん」

と第一声、謝っていた。

顔を横へ向け、首の後ろを手で払ってみせる。

「お前が好きだと言ってくれた髪だが……見ての通りだ。見事になくなってしまった。……すまん」

ベッドに横たわる彼の表情は、六年前から、変わらない。

深く、安らかすぎる寝顔。

これで死んでいないのだから、不思議なものだ。

もっとも、彼が生きているからセリーヌも生きていられる。

精神的な意味で。

六年前に自分を庇ったルイスは、以来、目覚めない。

だから『あのルイス』は、ジョセフィーヌがセリーヌの『ガーディアン』団長としての面子、そして精神を安定させるための、代役なのだった。