CE-LI-NE

文鎮制裁で幼馴染みをたしなめたセリーヌは、頬の痙攣に耐えられなかった。

「お前は……、たかだかそれっぽっちのことで、私の部屋を荒らしたと……?」

「たたた、タンマ! セリーヌ怖いっ、せぇぇぇっかくの美貌が損なわれるくーらい、いやいやいやいやっ、美貌だーからこそっ、めぇっっっちゃくちゃに怖い!! ウェイトウェイト!?」

右手がつい腰の辺りをまさぐり、長剣の柄を握った。

「たしか、バカは死なねばわからんと言ったな……死んでみるか?」

ここからなら、踏み込みを合わせて三秒以内に首をはねる自信があるセリーヌである。

「ああああ、そんな冷血な顔しなーいでっ! ねっ、ねっ、僕のセリィ!? おをおをおを、お助けをををを……!!」

冗談――とわかっていながら、ガクガクと震えて両手を組み合わせ、祈るルイスは、変わり者だがおもしろいヤツだと思っている。

特に、常々一緒にいるジョセフィーヌも、主人に倣って器用に祈りのポーズを取っているのには笑えた。