CE-LI-NE

「貴様、いじけるのも大概にしろ! 父が失脚して、それがどうした! 神様とやらに裏切られて、それがどうした!!」

ひゅううう……

「っ、貴様はまだ、五体満足で生きているだろうが!!」

風の集束音が、増している。

耳なり。

この広間もろとも、吹き飛ばすつもりだろうか。

「セリーヌ……」

と、少女が返事をした。

思いのほか、静かな声である。

だからやけに、耳を舐められたように言葉が残る。

「質問、させてください。あたしの父は……あたしの神様は……悪い存在だったのですか?」

「知らん」

「っ」

少女も息を飲む、即答だった。

しかもそれは、この場にいるだれの声でもない。

が、セリーヌの知る者の声だった。

着乱した軍服、緩んだネクタイにボサボサの黒髪と白い煙の筋を揺らしながら、現れる。

「ジン……!」

「よう、ざまぁないな、セリーヌ?」

異世界の、ふてぶてしい女が。