CE-LI-NE

男の花が、床の上ですっかりと押し花と化した時、

「セリーヌ……セリーヌ……セリーヌ……!!」

少女の憎悪が再び、しつこく、自分へ向いた。

瞳孔が開いて、息も洗い。

すがっていた偶像の消滅と男の裏切りが、少女の理性を食い潰したのである。

ひゅううう……

ただただ、己の衝動に溺れる、憐れな――いやいっそ馬鹿でしかない殺人鬼に。

セリーヌは少年を見た。地べたに伏したまま歯を鳴らしている。

あれでは手を引いて起こすのも一手間だ。

自分は? 出血が続いている。さらには今までの疲労、手負い……正直少年を連れて地上まで行けるかも危うい。

悲観ではなく軍人としての事実主義が、そう現状を告げていた。

それでなくとも、今、少女に敵うだけの体力もない。

しかし、それで諦めるわけにはいかない。

自分は〝霜刃〟である。〝霜刃〟である前に、軍人。軍人の前に、女なのである。

セリーヌ・ウォン・ドストロフは、女として、ルイスのことが好きなのだ。

まだ、面と向かっては言えていない。

少年保護の任務もそうなら、少女への処断、自分の決着もまだついていない。

「リリア!!」

だから死ねない。

いや……死にたくないのだ。