CE-LI-NE

そうして、セリーヌは少年へ歩み寄る。

近くで見てわかったが、どうやら後ろ手に縛られているらしい。

セリーヌは縄を切り落とした。少年へ手を差し伸べる。

「私はライスト国軍所属、セリーヌ・ウォン・ドストロフだ。貴君の救出に来た。さあ、行こうか」

立場を紹介しても、少年は、おそるおそるといった様子である。

人間不信になっている可能性は高い。

精神、肉体検査もかね、病院へ連れていかなければならない。

少年の手を引いて、来た道へ向かう。

棒立ち忘我の状態にある少女は、今は捨て置こう。

踏み出したセリーヌは、

「あ」

という少女の呟きを聞いた。

同時に、なにか、背中への重み。

電撃を食らったように、足が震える。

「……ぐ、ぐくく、ははっ……ははは……!」

下卑た笑いが、すぐ、背後から。

荒い息遣い。ぬるい、なま臭さ。血の不快さ。

降魔師の男が、セリーヌを背中から刺していた。

隠し持っていた、短剣で。

「どけぇ!!」

男がセリーヌを殴り倒す。

〝霜刃〟の反動、今までの手負いと疲労。

耐えるだけの踏ん張りはなかった。