CE-LI-NE

ひとつ目の炎が押し迫る。

斜め前方、頭上からのし掛かってくるころを、大きく横へかわす。

爆発はレンガの上で。竜の歯牙が噛み合わさったような重低音と石礫が、セリーヌを真横から叩いた。

「っ」

爆風に押し飛ばされるも、受け身を取り起き上がる。

前方、右手と左手から二撃目と三撃目が赤を主張した。

昼間と同じように、腕を使わない空中側転で大きくかわした――はずが、二本の炎はセリーヌの真下で互いの頭を衝突させた。

「ぐっ、ぅ……!?」

爆発が、セリーヌを宙へ殴りあげる。

銀髪の大佐は、ストリートを一望できる高さまで舞う。

両手足を広げ、バランスを取ったセリーヌは、下方を見やり舌打ちした。

「っ、く、そ……!!」

向かってくるのは、残り二本の爆炎連鎖。

少女はこの二撃で、宙の自分を確実に葬るつもりである。

風に靡く三つ編みも、守るべきルイスも失ったセリーヌは……

「いいだろう」

しかし、まだ、やる。

頭を下にして、炎に向かい突進していく。

賭けだった。

爆発が自分の体を砕くのが速いか、自分が通り抜けてしまうのが速いか。