CE-LI-NE

それは、六年前だった。

セリーヌはまだ少尉に成り立ててで、ルイスは自分が降魔師だと自覚してから、間もない頃だった。

事件が起き、狙われたのはルイスだった。

にもかかわらず、守ろうとした自分を、逆にルイスは守った。

今のように、自分の前に立ちはだかって、両腕を広げて。

「バカルイスっ!!」

心の残像と記憶が、セリーヌに反射行動を取らせた。

ルイスを押し退かし、長剣を構える。

迫るは深紅の螺旋殺意。

その規模は、絡まり集まり、もはや竜のごとく巨大だった。

いくら気体の道しるべを薙いでも、効果がない。

(飲まれる……!!)

そう、諦めが出た時――

「セリィ」

ルイスが、背後から抱き締めてきた。

押し込めるように、セリーヌは地へ伏せさせられる。

熱波と、数瞬の耳なり――爆発は、台風のように過ぎた。

そして――

「……ルイス……?」

顔をあげたセリーヌは、幼馴染みがいないことを、たしかめるはめになった。

全身に重くのし掛かるのは、黒ずんだ消し炭。

ざらざら、ざらざらと、立ち上がるセリーヌの足元に溜まる、砂。

ルイスは、焼き砕かれていた。