CE-LI-NE

舞台は月下、星のまたたく夜の街。

「ああああっ」

主演は少女。

「あっははははははっ!!」

フレイムチェーン
炎 鎖 の使い手。

「ありがとうございます……、ありがとうございますありがとうございますっ!!」

響く声は風に乗り、炎がごとく猛々しい。

「なんてすごい力、なんてすごい魔法っ!! 神様はあたしを、愛してくださってるのですね!!」

悠然演舞の前触れを思わせて、少女の白い指が腰元を探る。

「これならやれます……あたし、セリーヌを、指名を……ああっ、神様。あたしの神様……!!」

砂を掴んだ少女はまた、それを宙へ放った。

ひゅううううう……

「見ていらっしゃいますか? 見ていらっしゃいますか? あたしは、あたしは、あははは……セリーヌぅぅぅぅうううう――!!」

粒子は風に乗り螺旋を描く。舞い踊る黒の霞は、そして現れた火種を受けて、炸裂した。

ズドンドドンドンドドドンドン!!

小規模ではなき、大爆発の連鎖として。

夜が、あっという間に夕刻にまで巻き戻される。

雷鳴さえも脅し飛ばす爆音が、空とレンガと周囲の家々、倒れている兵は無論、セリーヌをも弾き飛ばした。