猫と協力して、ルイスは部屋を片付けていく。

散乱した資料を広い集め、ひっくり返った鉢を起こし――

途中、ジョセフィーヌに「ネズミはゴミ箱に捨てるんだよーん。そ・れ・かっ、食ぁーべてしまいなさい」「にあん」とやり取りをしていた。

変わり者である。動物との会話ができるフーガ民族ならともかく、彼はれっきとしたライスト人。それなのに猫と会話が成立している。変わり者だ。


そんな変わり者が、しかし降魔師である。

降魔師とは、今は人々の内から失われている魔法を、再び覚醒させることのできる者ら。

国家にとっての、大重要人物。降魔師であるだけで国の大臣に任命される、と言えば、その存在感も大きい。

そんな大人物と対等の態度ができるのも、セリーヌが彼の幼馴染みであり、また、『ガーディアン』だからである。

どこからかホウキとちり取りを持ってきたルイスが言った。

「あ、そーういえば今日、なぁんとなく部屋を荒らして思ったんだけどね?」

「なんだ」

「セリィ、君に赤い下着は似合わないと思ブガッ!?」

「次は鈍器を投げるから覚悟しておけ」

本を投げつけられて「痛いなぁ」とぶつぶつぼやくルイスに、情状酌量の余地はない。