そう…
それは、つつじが風呂に入った後の事だった…



「なぁ、ピエール」
「なんでしょうか?」

いつでも大人の笑顔を見せるピエール…
正直、オレから見ても、こいつはかっこいいと思う。

でも…それだけじゃなくて…
こいつが時折見せる切なげな笑顔は…

「単刀直入に言うぞ?お前…つつじのこと…」

オレが言い終わる前にピエールは小さくため息をついた。

「やはり見抜かれていましたか…。お嬢様には魅力があります。みんなが引き寄せられてしまうような…。あなたも私もその仲間ということです」

やっぱり…
なんとなく…見ていてわかった。
オレもつつじのこと好きなわけだし…こいつがつつじの前だけで見せる、とびきり優しい笑顔と少し悲しそうな笑顔…
そのどっちも、つつじのことが好きだからこそ見せるものだったんだ。