ダンッ!!

「お前、何考えてんの?」
「え…?」

横にあるレンのたくましい腕。
背中には固い壁。
目の前で私を見つめるいつもと違う冷たい目。

なんかレン…
怖い…

「あんなやつに触られて嬉しいわけ?」
「そんな…」
「さっさと離れればいいだろ?」
「でも、お客さんだし…」
「だからってあんなやつに笑顔向けてんじゃねぇよ!!」
「だって…レンが…」

やばい、視界がぼやけてきた…。

「レンが…頑張ろ、うッて、言うッ…か、ら…私…頑張ろうッて…ッ……」


私はこらえきれなくなってしまい、話し終わった頃には涙でぐしょぐしょだった。


「だぁーッ!!もう!!」

ふとレンを見るとガシガシと頭をかいていた。

レンの顔…ちょっと赤い?

「悪かったよ…。怒鳴ったりして。だからもう泣くな…。」

そう言って優しく髪を撫でてくれた。
さっきの人としたことは同じなのに、レンに撫でられるとすごく気持ちよかった。

「…よし!このまま まわっちまうか!」
「えぇ!?この服で!?」
「いーだろ、宣伝になるし」
「でも…」
「いーから行くぞッ!!」
「わっ…」


結局私たちはその目立つ格好で宣伝しながらまわった。


最初は人の目が気になったけど、レンと歩いていると自然と気にならなくなった。


レンとまわれてよかった…(*^U^*)