「大体、ペアをほったらかしておく方が悪いと思わへんか?
だから僕が哀れなお嬢ちゃんを慰めてやったんやで?」

「なッ…」
「殴るんかいな?」

オレは思い切り構えた腕を止めた。

「殴ってもええで?
でもこれだけ教えといたるわ。
僕、今回の審査員長やってんねん。
そんなオレ殴ったら…自分どーなると思う?」


ちっ

オレは止めていた腕を下ろした。


「うんうん、おりこうやなー。
あ、そんで例のお嬢ちゃんなら、何でか泣きながらトイレの方行ったで」

ッ!?

「あ、多分僕が"遊びに決まってんだろ"ッてゆーたからかな」

からっと笑う変な関西野郎。

その言葉を聞いて、オレは考えるより先に体が動いていた。