「あれ、つつじさんですか?」
「え?」

スイーツを食べていると急に声をかけられた。

スラッとした長身
この少しだけクセがあるサラサラの黒髪は…

「双葉さんですか?」
「覚えててくれたんやなー。光栄やわ」
「最初関西弁じゃなかったからわかんなかったですよー」
「そらビジネスのために標準語も使わなな!」

双葉さんはまだ若くしてお父さんの会社の大阪社を任されてる社長。
確かお父さんの親友の息子で小さいころは4人でよく遊んだなあ。

「それにしても、双葉さん、どうしてここに?」
「実はなぁ、僕、ここの審査員長頼まれててん」
「え、すごいじゃないですか」
「本当は僕の知り合いが出るはずやってんやけど急に都合悪うなってしもてな、僕が大抜擢されたゆーわけや!」

得意気にVサインする双葉さん。

「ぷっ!それってつまりは代役じゃないですか。しかも急だったから、適当に選んだかも…」
「やかましいわ!僕が撰ばれたんやってゆーとんねん!」
「あはは、はいはい」


双葉さんと話して少し気持ちが軽くなったかも。