――それは1時間ほど前のこと。

「うん。だからこの時間にきたの」

………はぁ??

「いや、とりあえず私もう学校行くんでまた後でいいですか?」
「あぁ、そうだね。じゃあ行こうか?」

んん??

そして、何故か並んで学校に向かっている私達。

「あ、オレ梅山 龍(ウメヤマ リュウ)って言うんだ。よろしくね」
「あ、はい。私は…」
「美波つつじ、でしょ?」

そう言ってニッコリ笑う梅山先輩。

「え?あの、名前…どうして…?」
「2年の間で、もう噂になってるよ」

えぇ!?
私いつ何をしでかしたんだろうッ!?

若干パニックの私を見て先輩は優しく笑う。

あ……

「恥ずかしいことじゃないから大丈夫だよ」
「じゃあ、どんな風に…?」
「"新入生にかわいい子がいる"ってみんな大騒ぎ」

ははっ、と笑いながら歩く先輩。

反対にドンドン赤くなる私。

そんな私をチラッと見て
「もちろん、オレもかわいいと思うけど」