―――…

「レン様がいらっしゃったので…私はそっとその場を立ち去りました…」

「ッて…その犯人はどうしたんだよ!捕まえなかったのか?」
「あの者たちにも生活があるでしょう。家族だっているかもしれません。残される家族のことも考えると…どうしても…」
「何でつつじに黙ってなきゃいけねぇんだよ?」

オレが聞くと、ピエールは曖昧に笑った。

「私のこの想いは…お嬢様にとって迷惑になります…。私は…お嬢様とただ笑い合って話ができれば、それだけで幸せなんです。お嬢様の幸せが私の幸せですから」

そうニコッと笑った。


オレは圧倒的な違いを感じた。