小悪魔な私

『――卒業生の退場です……』


気が付いたら、退場の音楽がなり始めていた。

起立して順番に中央の通路から退場していく。


教室に戻った私達は、泣きながら又写真を撮った。



もう……



この時間は来ない。



この場所で騒ぐ事も、バカみたいに廊下を走る事も、涙を流す事も……




この後、どうしよう……




私が決断出来ずにボーっとしていると、不意に乙葉が私の顔を覗き込んだ。




「まだ…行かなくて良いの?」




小声で聞いてきた。




「………」



私は、周りを見回した。



勇気の姿が見えなかった。



「………行く」



私の口からは自然に答えが出ていた。



乙葉は満足そうな顔で私の手を取ると、



「良かった。頑張ってね!!!」



そう言ってくれた。




気が付いたら、私は非常階段の方に足が勝手に動いていた。