小悪魔な私

体育館の中から司会が聞こえてくる。


「卒業生の入場です……」


私達の緊張感は一気に高まる。


体育館のドアが開けられると、1組から入場していった。


中は在校生と父母達で溢れ返っていた。

曲に合わせて入場する私達を、暖かい拍手で迎えてくれた。



――卒業おめでとう――



壇上の一番後ろに、大きくかかれていた。


私達が席に着くと、先生達や校長先生の話が始まった。


私はチラッと乙葉を見た。

乙葉は俯き一生懸命涙をこらえていた。

そんな姿を見て、又泣けてきた。


1人づつ呼ばれて壇上で卒業証書をもらう。


『一ノ瀬 雫』


私は壇上に上がる。


よりお君は卒業証書を持って



『良く頑張ったな。おめでとう』



そう言ってくれた。


私は頷いて卒業証書を貰った。

瞳からは涙が止まらずに溢れ出していた。