「何でもないなら涙なんかでないよ。さっきのこと、だよね?」



 もう一度芭衣ちゃんが聞いてくる。



 芭衣ちゃんの優しい声でさらに涙が出て来た。



「ふぇ……っ。芭衣ちゃあぁん……。茉里唖の馬鹿ぁ……っ。」



 ぎゅっと芭衣ちゃんが抱き締めてくれた。




 隣にいた人は誰?



 私と同い年くらいに見えたよ?



 あの通りにいってどこに入ったの?



 あの人とラブホテルに入ったの?



 ねえ、誰?



 ねえ・・・。



 私が勝手にサボったから怒ってるの?



 怒ってるなら口で言ってよ・・・。



 嫌いになったならふってよ・・・。



 こんな・・・。



 こんな思いするのは嫌だよ。



 あの人は・・・



 誰・・・?