「謝るぐらいなら私の側に来ないでくれる?」


ヒデの行動が招いた、
私と彼の恋の終わり……。

バカみたい。

そんなの言い訳でしか過ぎないっていうのに。


「じゃあ謝らないから、近づく」


そう言うと、ヒデは体を起こして真剣な眼差しで見つめてきた。



こんなヒデ、珍しい……。


いつもどこか掴みどころなくて、ちゃらけているイメージなのに。


真っすぐな
熱い視線が痛い。

目が逸らせない……。



「ヒデが近くにいると、ヒデのせいにしたくなるのよ……」

「そうなんじゃない? 俺があの時、キスしたから」


ジリジリと近づくヒデの顔。

あの時と、同じ。


訳分かんない――……。



「結依ー、ヒデー! っとお邪魔しましたっ」


「ちょっと待って七瀬! 何もないから……。
じゃあお先」


急いでベンチから立ち上がり、七瀬の後を追う。

ヒデはベンチに座ったまま。



「結依……ヒデと何かあった?」

「ううん、何もない。ただ話していただけ」