「……お宅が一番マトモそうなんで、言うんですがね?お嬢は、キレたらヤバイんスよ……」 「キレる?」 ヴォルトは辺りを窺い、小声で話し始める。 その意味が理解出来ず、ヴォルトにマトモと言われた銃佐ェ門は、ボソリと問い返していた。 確かに、その一行、禁や闘兵衛に皐月と比べれば銃佐ェ門が一番マトモ、であろう。 「普段は、あっけらかんとしてるんスけどね」 息を殺して語り続けているヴォルトは、眉間に皺を寄せ複雑な表情を浮かべていた。