「東京都私立アンジェリカ学園を受けようと思っています」

担任に堂々とそう告げた。

「……それはどこの高校??」

「東京都にある高校です」

そう言うと、もうおばあちゃんと言ってもいい位の年の先生は、はぁ、と口を開きメガネを上に上げた。


「東京の学校に行くの。」

「はい」

もう既に俺は、東京の学校に行くという事に対して、誇りすら感じていた。

「それは大変そうねぇ。でも、大丈夫なの??……………あの………お金とか」

少し遠慮がちに、
そして遠回しに聞く言い方だった。

「心配いりません」

「………そう?それなら、いいんだけど」

心配そうな顔を見せた後、だけどささやかな笑顔を見せた。