『ただいま。』
誰もいないのは分かっているから。

『おかえり。』
って自分で言うしかないんだ。

ぁあ,3年目か。

家(正しくは自分のアパート)へ帰っての日々の日課はこれだ。
ただいまと誰もいない部屋に向かってつぶやき,おかえりとあたしに返す。

虚しい,って思われてもいい。
何の音も無いよりはましだから。


冷蔵庫の残りを適当に料理するこれもいつものこと。
寂しいとは思わない。
別にそれが
『いつものこと』
だから。

てゆうか


あたしにもう感情がないんだ。

うれしいとも
楽しいとも
悲しいとも
寂しいとも
何も感じない。

もう
そんなものはわたしには必要なくなったの。


だって
『.....ヤバ。
そろそろ支度しないと遅刻じゃん。』

あたしを


『今日はどのカラコンにしようかなぁ...。』

必要としてくれる人が


『シャドウは....青系にして...っと。』


どこにいるってゆうのよ

『香水はぁ....』


必要とされないのなら
それがあっても面倒なだけ
それならば


『あ――ι
グロス切れてるんだった...
せっかく気に入ってたのに...


もう捨てなきゃな...。』


投げ捨ててしまえばいい

そう思ったから。