俺はまだ、10ヶ月は我慢しなきゃいけないんだ。



…頼むから。


そんな笑顔、見せるなよ。



高鳴る心臓を無理やり抑え、唇を噛みしめる。


「…今度は、天気のいい日に来ような」


「そうだね!ロゼとマレッタも…みんなで見たいな」


…みんな、か。


最初からそうすりゃよかった。



ロゼがもしこの場にいたら、簡単に平静を装えるのに。


どうしてメイに対しては、こんなに余裕ないんだ?俺。


「わー、何か今から楽しみだな」


そう言って空を見上げるメイの横顔を、俺は見つめた。



今は、まだ。


俺はこの笑顔を護りたい。



護れなくなる日が訪れるまで…





俺は、そう心に誓った―――…