瞳の中は赤く染まっていた。 あれはきっとコンタクトとかそんな類いのものじゃない。 窓の外の桜は満開になっていて、太陽を浴びてよってさらに美しくなっている。 桜…… 彼の目に映っていたのは、桜でもなく目の前にいた私でも無かったんだろう。 別の……何かが。 いやいや、全くもって私には関係無い ……関係ないよ。 《「!!」》 あの時の、目。 だめだ、頭から離れない。 『………ふぅ』 ……別にどうでもいいよ、叶君のことなんか。 ん? なんでここ来たんだっけ?