「もう2度と言わないよ。でも、本当にまーちゃんみたいに、私達の心の中のモヤモヤした気持ちを理解してくれてる先生ってなかなかいない。私達、逃げてるわけじゃない。勉強が嫌だから、恋愛に逃げてるわけでもない」
まーちゃんはゆっくりと頷いて私の頭を撫でた。
「わかってるよ。俺は」
「勉強も頑張りたいし、将来のことも考えなきゃいけないってわかってる。でも頭の中も心の中もいっぱいで、どこかにほっとできる場所を求めてしまう」
私は一度深呼吸をし、天井を見上げた。
まーちゃんは優しく私の話を聞いてくれる。
だから・・・
甘えたくなる。
私の心の中でモヤモヤしていること、全部聞いて欲しくなる。
「ほっとできる場所が欲しいの。それが・・・先生への恋っていう形になってしまうのって悪いことなのかな。千夏の恋・・・間違ってないと思う。池田に褒めて欲しくて、英語の成績がすごく伸びたのに、その恋が間違ってるって言うなら・・・もう勉強も恋も何もしたくない」
私自身の心の声だった。
私がまーちゃんをこんなにも好きなのは、間違ってる?
恋なんてしてる場合じゃない?
受験生で恋をするなんておかしい?
勉強のことだけ考えてなきゃいけないの?

