まーちゃんは、真剣な顔で首を横に振った。
「全然バカみたいじゃない。俺は、小学生でも中学生でも恋がバカみたいなんて思わねぇよ。それに、俺だって大人じゃね~しな」
「そうだね。まーちゃんもガキだもんね」
まーちゃんは、お前な~と言いながら私のおでこに缶を当てた。
ほのかに温かい缶。
隣にいるまーちゃんの笑顔のおかげで、今日の疲れも吹っ飛んでいた。
本当は告白したい気分だった。
こんなチャンスはないとも思った。
でも・・・まーちゃんは私にそんなことを求めてはいない。
だから我慢した。
「池田先生・・・か。うまく断ればいいんだけど」
まーちゃんは眉間にしわを寄せて、そう言った。
「どういう意味?やっぱり塾の講師は生徒からの告白は断るっていうのが決められてるの?」
「いや、そうじゃない。池田先生は今までも告白されたことがあったけど、毎回厳しい断り方をしていて、生徒がちょっとかわいそうなんだよな。俺の意見としては・・・」
私は心配になった。
千夏・・・大丈夫かな。

