恋の公倍数(受験生+塾講師)




祈りながら歩いていると、大きな物体にぶつかった。



「お前、何してんだ?ピンクのお化け~!」



「うわぁ!!まーちゃん!!」



ぶつかったのはまーちゃんだった。


私は、興奮して何も話せなかった。


まーちゃんは、私を不思議そうに見つめながら私の頭に手を乗せた。




「おい。いつもの相方どうした?お前、ひとりか?」



「は、はい。はい!!ひとりで散歩してました。何も不審な動きはないです!」




動揺しまくりの私を見て、まーちゃんはポケットから出した缶コーヒーを私の目の前に持ってきた。



「これ、付き合ってくれる?今からひとり寂しく飲む予定だったんだけど」



どうしようと迷ってる私の腕を引っ張って、まーちゃんは茶色いソファへ腰掛けた。



隣に座った私は、千夏の告白のドキドキと、まーちゃんが隣にいるドキドキで、倒れそうだった。