「これ・・・どうしよ」



私は、食べかけのコロッケを見つめながら、呟いた。



千夏は興奮気味に言った。




「うわ!!まーちゃんの食べかけ。それは、美春に食べろって意味でしょ?」



「食べるのもったいない」





千夏は、私を見て大笑いした。



あんなに不良だった私が、今・・・


好きな人の食べかけコロッケを見つめながら、真っ赤になっている。



それがおかしくて仕方ないって千夏はいつまでも笑っていた。






バスが動き出して、やっと私はまーちゃんのコロッケを食べた。



ゆっくり


ゆっくり・・・


まーちゃんを想いながら。