玄関まで行くと、あたしはその憎い顔を見て引きつった顔を浮かべることしか出来なくなった。
彼女、キョウコという名の女はとても冷たい笑顔であたしを見つめる。
「なん、であんたが…
─……入らないでよ…」
あたしはただ、その場に立ち尽くすしてそう言うことしか出来ない。
無駄な抵抗。
それはわかっている。
だけど、唯一守ってきたこの場所だけは汚されたくなかった。
「無用心ね、このマンションもあんたも。
親戚、と言ったら簡単に管理人が開けてくれたわ。
まぁ、鍵が開いてるなんて思ってはいなかったけれど」
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