ずっと一緒にいたから、いつのまにか亮ちゃんのことがだいすきだった。 誰よりも亮ちゃんが好きだった。 でもー… 亮ちゃんが好きになったのは“あたし”ではなかった。 亮ちゃんが好きになったのは、“あたし”の双子のお姉ちゃん“心(しん)”だった。 亮ちゃんだけを見ていたあたしはすぐにそれに気づいた。 いつもいつも、“しん”じゃなくて“りん”を見てほしかった。 だから、亮ちゃんが“しん”を見ていることに気づいてから、あたしは髪を伸ばしだした。