そして、特報!



「今日は、妹が迎えに来てるの!」

振り返るショートカットの学生に、微笑む九鬼。

「お姉ちゃん!」

校門の前で待ち、手を振る妹に駆け寄る学生。

それを見送る九鬼の目の前で、突っ込んでくるトラック!

「生徒会長!」


九鬼の目の前で、跳ねられる姉妹。


「可哀想に…姉は即死。妹の方も、寝たきりになるらしいわよ。高校の推薦が決まってたのにねえ」

見舞いに来た九鬼に、心無い人の噂話が聞こえてきた。



「会長は、殺されたのよ。あの謎を追っていたから」

そう語った副会長も、死んだ。

校庭の時計台に張り付けにされて…。

なのに…どうして!

それを事故だと思うの!

周りの生徒達の反応がおかしい。

探っていた新聞部も、惨殺された。

部室に残る血の跡。


真相を掴もうとする九鬼に、学年主任が告げた。

「生徒会は解散だ!」

「どうしてですか!」

納得できない九鬼は、校内を走る。

「あたし1人でも!」


「あなたは、闇を恐れないのかい?」

呼び出された理事長室で、語られる真実。

「この学校には、闇を封じるものがあった。しかし、それは何者かに、奪われた」


「新任の結城哲也です」



「あんたはいいよね。やることがあってさ」

屋上で話す加奈子と九鬼。


「闇に対抗できるのは、太陽だと思うかい?」

兜博士がきく。

「違う!太陽の光は、闇を隠すだけだ!闇を照らすのは、ただひとつ…月だけだ!」


「た、助けて…」

放課後の階段の隅で、闇に食われていく生徒。


「あたし…何もできない」

嗚咽する九鬼に、闇が囁いた。

「次は、お前だよ」


理事長は言う。

「闇に対抗できるのは、月の光だけ…だけどねえ…」

兜博士は笑い、

「月の力を望むことは、できない。使うことができるのは…」

2人が口を揃えた。

「月に選ばれた者だけ!」


「お願い!あたしに力を!」

月を仰ぐ九鬼。