いちごちょこ

放課後。


HRが長引いた私は慌てて教室を出る。


綾が待ってる,と廊下を急ぐ。


綾のいる教室に近付くと何やら話し声がする。


よかった,まだ何人か残ってる。


窓からひょこっと中を覗くと…見えたのは綾と奈々ちゃん。


仲よさ気に話してる2人を見て胸に違和感を感じる。



「好き−?」


「まじ好き…大好き。」


「はっきり言わないでよ。
 こっちが恥ずかしいっ」


聞こえてきた会話に私は耳を疑った。


もしかしてこの2人……


やっぱり私はからかわれてただけだったの?


スーッと涙が頬を伝う。


私,悲しいの…?

私,辛いの…?


とにかく泣いてる姿を誰にも見られたくなくて。


私は逃げるようにその場を去った。