行為が終わった後の気だるい感覚の中…


ベッドの脇で煙草を吸う俺に
彼女は後ろから話しかけてくる。



「ねぇ?しい君?」



しい君と言うのは
彼女が勝手につけたあだ名…


前の彼女…ひろ子に名前で呼ばれていた俺は
ひろ子以外に名前で呼ばせたくなくて
誰に対しても名字で呼べと言っていた。


さゆりは、そんな俺に勝手にあだ名をつけていた。



それが『しい君』



茶髪にロン毛……
少し引き締まった焼けた体で
黒い、ローダウンしたVIP CARを乗り回す俺にとっては
可愛すぎるあだ名



でも…天然でおっとりとした
口調から出される『しい君』という名前は
何故だかミスマッチではない


色白で、背が低くて
ふんわりとしたパーマの似合うさゆりは
甘ったるい声がとても似合っている