なんか、おかしな人だったなぁ。
あたしはお姉ちゃんお手製のシチューを食べながら、さっきの出来事を思い出してた。
「朱里?
シチュー美味しくない?」
考え事をして、なかなか進んでいないお皿を見てお姉ちゃんが言った。
「んーん!すごく美味しいよ。
ちょっと考え事してた」
「考え事?何かあったの?」
あ…さっきの事、お姉ちゃんに話した方がいいのかなぁ。
でも、言うと絶対心配するよね。
今日初めて出会った人なんて信用するな、とかって。
あたしだって、普通ならこんな事オッケーしないもん。
…じゃあなんで?
あたしはオッケーしちゃったんだろう。
ふと…橋口さんの顔が浮かぶ。
子犬みたいな…憎めない笑顔が印象的で。
まぁ…最初はかなり怪しかったんだけどさ(笑)
あたしは自然と笑顔になってた。