ある日の話だ…







「 のび太のおばあちゃん見てるとさ~、



 泣けてこない…? 」





「 うん? 」





図書館でドラえもんの漫画を読んでいた優斗は、


また
妙なことを言い出した…






「 …だって、



のび太が
タイムマシンで会いに来ると、

いっつも笑顔で迎えてくれてさ、


小遣いくれたり、おやつくれたりさ…、



そんなん見てると俺
泣けてくるんだよ… 」




「 ? 」






「 ……自分の孫が




近い未来から
来るってことはさ…、


その近い未来には、

自分はもう居ないってことだろ?






それがわかってて笑顔でいられるって…、



すげぇよな…、」






遠い目をしながら

そう語った優斗






彼のその瞳はうっすら涙で潤んでいた…





そんな彼を見て私は、胸の奥がぎゅうっと締め付けられた…。








「 うわっ!?

ごめん!!泣くなって!! 」



優斗の焦った声が上がる…




気がつけば、

私の涙腺も
熱くなっていて


私の頬には無意識に流れる涙があった…






私は
まんまと

のび太のおばあちゃんに泣かされたのだ…