アタシの心臓が 音を立てて鳴った。 なんだか響が同い年なのに お兄さんに見えた。 「ハイッ!じゃぁレッスンするよぉ。」 中村先生が言った。 それからレッスンに入った。 響はテノールだった。 そしてはじめてやるハモリを 練習しだした。 響の歌はあの時廊下で聞いたことのある 心地よい歌声だった。 一緒に歌っててすっごく 気持ちよかった。 「う~ん。 いいねぇ。あとちょっと がんばったらいい感じになるねぇ。 また明日やろう。」 「「はいッ!」」