啓のあらあらしい声がして アタシの体がびくッとはねた。 会いたくないよ…。 「どこだッ!」 啓の声が近くなってくる。 「ぅ…ッヒック…。」 声を押し殺そうとしても 漏れてしまう。 「兎…。」 見つかった…。 怒られる…。 <ぎゅッ> え?怒らないの? 「け…啓?」 「しゃべんな。」 どんだけ心配したと思ってんだ。 留学のことなんかすぐにはなせんだろ?