キッドが帰ったあと、貴志も店を出てミヤとミノルの三人になった。
ミヤはミノルの学生運動の話を熱心に聞いていた。
「したらよ、左翼の連中が……」
時間になって帰る支度をしている私にミヤが声をかけた。
「ハル、明日一日ひまか?」
私は軽く頷いた。
「そうか、なら付き合わないか?
新宿を、撮りまくるぞ」
ミヤは好奇心いっぱいの目をして、何かを企むかのようにニヤリと笑った。
「どうだ、行かないか?」
ミヤのその笑顔に私は弱い。
気付けば笑顔になって、頷いていた。
「ようし、いいねェ。
朝八時、俺の部屋の前の橋でな。
おやすみ、ハル」
それを聞いた私はふわふわとした気持ちで小走りをしながらその場を去った。
後ろでは、どういう関係なんだよ!?と、ミノルが大声でわめいていた。
明日は久々におめかししてみようかな、そんな気分になった。

