翌日は何をしていても、私の心にはぽっかりと穴が空いてしまったようだった。
何をしていても、始終、あの貴志の熱っぽい瞳が私の心を離さなかった。
私の深くまで探ろうとする瞳、けれど私を捕まえられないその瞳。
彼は今、何をしているのだろう。
彼も同じように心にぽっかりと穴が空いたまま、昨夜の過ちを悔いているのだろうか。
いつまでたっても心が晴れず、胸の中が落ち着かないので私はラジオのスイッチを入れたまま、クラウンには赴かずに眠った。
夢の中では、私と貴志が歩調を合わせながら、大好きな映画について語っていた。
それを見つめる第三の私がどれだけ手を伸ばしても、届くことはなかった。

