ゆさゆさと揺り起こされると、キッドと貴志が上から私の顔を覗き込んでいた。
「ハルお嬢様、ぐっすりとお休みのようで。
しかしながら店じまいだとよ。
どう致します、お一人で帰れますか」
少し顔の赤いキッドが洒落を効かせてそう言った。
頭はくらくらし、胸の辺りがぐるぐると重たい私は力なく首を横に振ると、キッドは困った顔をした。
「やれやれ……どうしたもんか、向こうの乞食野郎は完全にのびてやがるしな。
俺はあの野郎を送らなきゃなんねえ」
そう言ってキッドは離れたソファーで仰向けに眠っている力也に一瞥をくれた。
朦朧とする意識の中で起き上がり、立ち上がろうとするも、全く力が入らない。
ぐらりとバランスを崩す私を慌てて貴志が支え、
「俺が送るよ」
そう言った。
「……そうか、じゃあ、頼んだぜ」
少し間を置きキッドも答えた。
かくして、私はよろよろとおぼろげな状態で貴志に支えてもらいながら、帰路をたどった。
私たちは終始無言で、彼が私を気遣って足並みを揃え、しっかりと支えてくれるのがわかった。
かすかな意識を頼りに部屋の前へ着くと、鍵は閉まっていて、キヨミちゃんは不在だった。
貴志に鍵を渡し、支えられながら自室へ入り、へなへなと座り込むと、貴志は隅にたたんでおいた布団を敷き、私を寝かせてくれた。

