時代魔レヂスタンス


力也のけたたましい怒鳴り声が店内に響き、気付けば彼は勢いよく貴志の胸ぐらを掴んでいた。


「オイ、教えてくれよ、オマエ東大生なんだろう?俺、アタマ悪いんだよ、なァ、貴志ィ……」


お互い至近距離で顔を向け合い、優しい小声で言う力也の目を、貴志は黙ったまま鋭い見幕で睨み付けている。


「二人共、落ち着けって……」


殺気立った二人にミノルがそう言った瞬間、凄まじい音とともに力也は地面になぎ倒され、近くにあった椅子が数個吹っ飛んだ。


突然のことに、店内はジャズまでもが鳴り止んだように、しんと静まった。


貴志が力也を殴った。


彼が人を殴ったのを、私は初めて目の当たりにした。私はただ驚きの眼で二人を見つめるしかなかった。