クラウンでジャズを聴いても、仲間の他愛もない話を聞いても、私の心の中はやっぱり満たされなかった。
人間の欲は得れば得るほど膨大になり、高みを知ったなら、決して元には戻れない。
私は、さっきのミヤみたいに己を呪って軽く嘲笑った。
ついさっきのミヤのぬくもりも、ミヤに抱かれたこともまるで夢のよう。
もう、触れることのできない幻想のような。
気がつけば、もう深夜を過ぎていた。
ミノルも、エミリーも力也も貴志もいない。
キッドがファーで首を傾けて、眠っている。
ミヤは結局やって来なかった。
うそつき……。
心の中でミヤに言うと、少し残っていた安酒を流し込み、いつも貴志の座るソファーに上半身だけ横たえて、眠りに落ちた。

