そう言う貴志の顔はとても辛そうで、苦しそうだった。 この人は、私の何倍も苦しんでいたんだ。 私がミヤとの幸せを噛み締めている時も……。 「貴志」 私の呼び掛けに、彼は反応した。 「私こそ……ごめん。 貴志は私よりずっと苦しんでいたんだ。 それなのに……。 私は大丈夫だよ。 ね、そんな顔しないで」 貴志の沈痛そうな表情が、救いを見つけたように、すこし和らいだ。 「……ハル?」 私は頷いた。