「分かってた。
俺がハルの目を曇らせていること」
貴志がぽつんと言った。
「違うよ」
私はとっさに否定する。
「違わない」
「違う!」
あの頃の二人を正当化したかったのか、貴志の過ちを認めたくなかったのか、受け止めきられない私は、半ばムキになったようにそう言った。
そんな曇った表情の私を見て、貴志が言った。
「ほら、違わない」
「……」
穏やかすぎる貴志に押されるがまま、私は口をつぐんでしまった。
彼は続けた。
「キッドにも言われたよ。
ハルを大切にできねェなら身を引け、それ以上手、出してもハルが傷つくだけってさ」
貴志は、寂しげに笑う。
キッドはあのあと、本当に彼に伝えてくれていた。
「キッドの言葉も遅くてさ、俺はすでに傷つけた。
勝手だよな。ハル、ごめんな。
許してくれとか、そんなんじゃないんだ。
ただ、お前の傷が 癒えてくれるなら……」

