翌日、書店に立ち寄ってクラウンへ向かおうとしていた。
書店の扉を開けるとそこには、貴志が立っていた。
真っ白なシャツをしゃんと着こなし、相変わらずの澄んだ瞳。
目が合った。
「あっ……」
足元に伸びる長い二人の影。
二人でクラウンへ歩く。
気まずい空気が流れる。
黙ったまましばらく歩くと貴志が口火をきった。
「ハル、変わったよな」
久しぶりに会話をする貴志に少しどぎまぎして、そう?と言う。
強気な私だったけれど、こうして二人きりで話すと、あの夜のことが頭をよぎって仕方ない。
「変わったよ。
……ミヤが来てからだな」
「……」
「俺は純粋に嬉しい。
最近の幸せそうなハル見て、嬉しく思うよ」
そう言って貴志はジャケットに手をつっこみ、ほうっと息をついた。

