初めて生で見たのだけど、メガネの二人は双子らしい。
「「おかえりなさい、副所長」」
声と、傾げた首の角度が、まさかのシンクロだ。
なるほど、代表の大恩寺めもりが所長なら、副代表の彼女は副所長か。
「ええ、ただいま」
と受けた白鳥さんは、メガネの、男子のほうにまず訊ねた。
「それで、なにか情報は掴めましたか?」
メガネくんが文庫をパタン、閉じる。
「はい。所長を最後に見たのは同級の先輩がたで、五時限目だそうです。六時限目から、所長の姿はなかったそうです。クラスも教師も揃って、『あの大恩寺めもりのことだから』保健室にでも行ったのかと思ったらしいのですが」
「実際は違った、そうですね」
「はい」
うなずいたメガネくんから、白鳥さんはメガネちゃんへ目を移した。
メガネちゃんも文庫をパタン。
「今日の所長の動向も把握済みです。始業十分前に登校、それから各授業を通常通りに受け、……行方不明になったのはやはり、五時限目終了、移動教室からの帰りのようです。日中、『特には』不審行動もなかったようです」
「そう」
と、またうなずいた白鳥さんの後ろ、また真美ちゃんが耳打ちしてくれる。
「「おかえりなさい、副所長」」
声と、傾げた首の角度が、まさかのシンクロだ。
なるほど、代表の大恩寺めもりが所長なら、副代表の彼女は副所長か。
「ええ、ただいま」
と受けた白鳥さんは、メガネの、男子のほうにまず訊ねた。
「それで、なにか情報は掴めましたか?」
メガネくんが文庫をパタン、閉じる。
「はい。所長を最後に見たのは同級の先輩がたで、五時限目だそうです。六時限目から、所長の姿はなかったそうです。クラスも教師も揃って、『あの大恩寺めもりのことだから』保健室にでも行ったのかと思ったらしいのですが」
「実際は違った、そうですね」
「はい」
うなずいたメガネくんから、白鳥さんはメガネちゃんへ目を移した。
メガネちゃんも文庫をパタン。
「今日の所長の動向も把握済みです。始業十分前に登校、それから各授業を通常通りに受け、……行方不明になったのはやはり、五時限目終了、移動教室からの帰りのようです。日中、『特には』不審行動もなかったようです」
「そう」
と、またうなずいた白鳥さんの後ろ、また真美ちゃんが耳打ちしてくれる。

